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ヘルシーレター 2018年2月

ヘルシー歳時記・2月

●ビタミンの上手な活用法

1月中旬に日本列島を襲った大寒波。東京は48年ぶりに氷点下4度、3日連続の氷点下は53年ぶり。さらに首都圏の大雪は4年ぶりとか、新記録続きで吐く息も凍りそうでした。東京吉祥寺のマンションでは水道管が凍り、朝、お湯が出ないという珍事が発生しました。今日は2月5日。再び大寒波が北海道、東北、北陸、西日本を襲う予報が出ています。どうぞ、お気をつけてお過ごしください。

今月は改めてビタミンの効用について考えてみたいと思います。ビタミンは微量で体内の機能調節を担う縁の下の力持ち、体の中の小さな巨人、健康な体を維持していくうえで大切な働きをしています。

 
  • ビタミンってどんなもの?
    ビタミンの働きは、機械(人体)と潤滑油(ビタミン)の関係に似ています。機械をより効率的に使い、長持ちさせるには潤滑油が必要です。たとえば炭水化物がエネルギーに変わるとき、その手助けをするのがビタミンB群で、特にB1は重要な働きをします。ところがB1が欠如すると、エネルギーにまったく変わらないかというとそうではなく潤滑油が切れた機械と同じ現象で、疲れやすくなったり、手足のしびれやむくみを感じたりします。 ビタミンは体内ではつくられません。必要な量を摂らなかった場合には、欠乏症、つまり病気になってしまうのです。ビタミンは健康を維持するうえで不可欠な微量栄養素で13種類あります。

  • 野菜を摂ればビタミンは十分?
    残念ながら野菜だけでビタミンの摂取は十分といえません。食品成分表のデータのもとになる食品は旬の時期の新鮮なものが選ばれています。ところが食卓に上がるものは必ずしもそうではありません。野菜や果物が収穫されてから店頭に並ぶまでの日数、家庭の冷蔵庫で保管されている時間は含まれていません。最近の野菜、特に葉物の高騰が食卓から野菜が消えかけている一因のようです。キャベツ1個が400円となると、主食の魚や肉よりも高価な食材で家計を預かる主婦は大変です。季節外れの野菜は旬の物に比べてビタミンの含有量はかなり落ちています。気候の変動、日照時間の不足も影響します。調理の段階でもビタミンCなどの水溶性のビタミンは水や熱に弱いので大きく損なわれてしまいます。洗ったり加熱したりする調理時間も短縮が必要です。

     
  • 私の体、ビタミンは足りているの?
    毎食、旬の野菜を摂りバランスを考えた食事で、規則正しい生活を続けているのなら問題はないでしょう。現実には難しいですね。ストレスの多い人や喫煙する人はビタミンCが余分に消費されます。お酒をよく飲む人や甘いものが好きな人はビタミンB群が特に必要です。ダイエットに夢中になるとビタミンA ・B群の不足から肌が乾燥したり、口内炎にかかりやすくなります。体調や生活習慣などを考えて不足気味のビタミンはサプリメントなどで補うようにしましょう。
 
吉祥寺の雪だるま
雪の山荘

●ニラは疲労回復に役立つスタミナ野菜。

餃子のたねやレバニラ炒めなどでおなじみのニラ。スタミナ食材としてもよく使われます。本来の旬は冬から春にかけて。最近は年間を通して出回っています。

ニラの名は古事記や万葉集にも見られ、中国から伝来したものであり、かなり古くから食べられていたようです。歴史の古いニラですが、長らく薬用として食べられていて、野菜として栽培されるようになったのは明治時代になってからだそうです。本格的に日本で普及したのは意外にも最近で昭和20年代に入ってから。餃子などの中国料理が家庭料理として定着したことがきっかけのようです。

一般的なニラは緑色の「葉ニラ」ですが、日光に当てずに軟白栽培した「黄ニラ」や、小さなつぼみがついた「花ニラ」などもあります。

ニラの香りは食欲増進にもなるので、体力をつけたいときにうってつけの野菜といえるでしょう。ニラにはにんにくやねぎにも含まれる「アリシン」という香り成分が入っていて、味に深みを持たせてくれます。殺菌作用や血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化の予防などに有効だとされています。また、アリシンはビタミンB1と結合すると、アリチアミンという物質になり、ビタミンB1の吸収率をアップさせ、その効果を持続させるので、疲労回復力を高める働きがあります。ビタミンB1の豊富な豚肉やレバーなどと一緒に調理すると効果的です。

そのほかに、β-カロテン、ビタミンC、E、B1、B2などのビタミンや、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルが含まれています。βカロテンは抗発ガン作用や免疫賦活作用で知られていますが、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持などにも役立っています。ビタミンCも豊富で、βカロテンと共に活性酸素を減らし、老化の防止にもつながります。ビタミンEには強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑え体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあるので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも役立ちます。

ニラは加熱時間が長いと色が悪くなり食感も風味も落ちます。炒めるときはサッと加熱する程度にするとよいでしょう。また根元に近いほうが強い香りを放つので、風味を生かしたいなら葉先より根元を使用します。

去年の今頃、スイセンをニラと誤って食べ、食中毒症状を訴えた60代の男性が死亡したというニュースに脅かされました。スイセンには有毒成分のガランタミンがあり、その影響で起きた事故だったようです。きれいな花には毒がある…くれぐれも家庭菜園の葉物にはご注意ください。
 
にら
(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.166 February 2018
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