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このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。

子育て支援、少しずつでも広がって

大好きな秋がやってきました。でも世情は紅葉を楽しむ余裕もないほど混迷しています。事故米、メラミン混入の粉ミルク事件、無差別殺人などなど、政局も不安定、総選挙も近づいて落ち着かない毎日です。

初秋の南アルプスほんの少しだけ、山梨県北杜市白州の秋をお届けします。まだ、紅葉には早いのですが山は確実に冬の準備を迎えています。来月には、ゴブラン織のような美しい山の風情をお届けできるでしょう。今月の1枚は、ススキに揺れる南アルプスです。陽光を受けて銀色に輝くススキの穂。秋風にユサユサ揺れている様は、実に爽快です。このススキ、東京で5本300円という高値で売られていました。

さて、今月は「妊婦健診助成制度」のお話しです。妊婦さんの受け入れ拒否の病院が目立ち、「産む場所」がない出産難民が増えているというニュース、話題になっていますね。その原因として産科医不足があるのですが、定期的な妊婦健診を受けていなかった妊婦さんゆえに、受け入れを断られたという背景もあるのです。なぜ、妊婦健診を受けないのか…。

妊婦健診では、胎児の超音波検査や妊婦の内診、血液検査などを定期的に行います。妊娠初期は1、2週間に1回、その後、安定期は4週間に1回程度。24週からは2週間に1回、36週以降は毎週健診することが望ましいとされています。それまで、各自治体は妊婦さんに母子健康手帳を交付する際、原則として妊娠20週までの「前期」と21週以降の「後期」にそれぞれ1回、医療機関で利用できる「無料健診券」を配布していました。

健診費用は1回約5000円、血液検査を伴うと1万〜1万5000円程度はかかります。無料となる2回分を除いても、自己負担の総額は平均すると約12万円で、若い夫婦世帯の負担感はとても大きいのです。お金がかかるから、健診が受けられない…。せっかく授かった命なのに充分なケアができない現実があるのです。そんな経済的な問題を少しでも軽減するために、厚労省は「健康で安全なお産をするためには5回以上の健診が必要」として、妊娠のごく初期から36週程度までの間、最低5回分を無料化するよう自治体に通知しました。妊婦健診の公費負担は、少しずつ拡充の流れが広がっています。しかしながら地域格差があるのも事実。回数はもちろん、助成金に上限があるなどいろいろ。東京23区では、今年度から21区が14回分を公費負担します。まずは、居住地の情報を正確に入手することが大切のようです。

さて、最後に先般福岡に帰省した折、タクシー会社が独自で始めたユニークな子育て支援サービスをご紹介します。出産を控えた妊婦さんが登録しておくと出産に安心して臨めるようサポートするサービス。ワンタッチでタクシーが呼べたり、指定の時間に送迎したり、提携医師のアドバイスが受けられたり、全車に防水シートカバーを装備しているとか。少しずつですが、子育て支援の輪は広がっているようです。



(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.55 October 2008

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