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このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。

いまが最後のチャンス、決断のとき

8月の猛暑から一転、少し過ごしやすくなったかと思ったら、またもや残暑の復活。それでも9月の声を聞くと確実に秋の気配を感じます。今年はゲリラ雨だの予測できない異常気象に体がついてきてくれません。日本一の広大さを誇る、山梨県・明野のひまわり畑は8月末でも咲いていました。
ひまわり畑






今、とても迷っています。犬を飼いたいのです。でも、東京のマンション暮らしでは、規定により飼えません。週末を山梨で過ごしている私にとって、やさしい栗色の毛並みのゴールデンレトリバーは、愛しい同胞に思えます。山荘の自称プライベートリバーでゴールデンと戯れてみたい。薪ストーブの前で優雅に寝ているゴールデン……、それはまるで外国映画のワンシーンのよう。と、安易な発想でペットとの暮らしを考えてしまうのですが、現実はそんなに甘くない!「毎日朝夕、散歩に行けますか?ペットの世話がちゃんとできますか?」 と、自問自答しながら、それでもペットショップで愛くるしい瞳で見つめられると、どうしようもなくメロメロになってしまうのです。

昨年末、大腿骨骨折で入院していたとき、同室のAさんは、まさにペットとの暮らしで問題に直面していました。Aさんは独り暮らし。85歳の高齢です。私と同じ大腿骨骨折で入院。室内で電気のコードに足を引っ掛けて転倒。約3ヶ月の入院生活が続いていました。彼女が一番悩んでいたのは、置いてきぼりにしたペット犬のこと。結局、その愛犬は遠方に住む息子さんが引き取って一緒に暮らすことになったのですが、そのお嫁さんが猫派とか。Aさんは心配でたまりません。たとえ、回復し退院しても当面はリハビリ中心の生活となり、犬の散歩まではできません。「寂しい、でも悔しい、悲しいよ」 Aさんの口癖でした。

ペットも年をとります。犬種にもよりますが犬の寿命は約10年。最近は15年、18年と長寿犬が増えていますが犬も寄る年波には勝てず、人間と同じです。歯槽膿漏にもなります。癌にもかかります。足腰も弱くなります。失禁もします。夜中の徘徊、認知症にもなります。 以前、ペット専門のカタログを制作したことがあります。さまざまな特別食(アレルギーや肥満対応など)、シニア犬のための食事(ソフトなシリアルなど)、歩行が困難になったペットのためのバギーカー、オムツなど、さまざまなシニアペットのためのケア用品がラインナップされています。

そうしたことも含めて、まるごと愛してあげられるのか……。 私が一緒に駆け回れる年齢と体力、そして寿命。一方、犬の寿命を考えると、いまが最後のチャンスのような気がします。

(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.54 September 2008

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