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このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。

ようやく里山ライフの日々

山梨県北杜市、南アルプスの甲斐駒ヶ岳や鳳凰山、八ヶ岳に広がる白州の山奥に庵を構えて6年。時間が許す限り、週末は山梨にいます。 それまでの私は、仕事ひと筋、1日の大半を仕事に費やし、カリカリしながら過ごしていました。借金を作らず、自分でできる範囲の小さな山荘を作ろう!そう思い立ってネットで検索。できるだけ近距離がいい、車で2〜3時間以内。見つけた場所が南アルプスの白州だったのです。

6年の月日が経過し、ようやく山荘で「ふつう」に暮らせるようになりました。というのも、建てた当初は、夢に描いていた山荘ライフとはかなりのギャップ。草取り、デッキのオイル塗り、雑木の枝の伐採、薪作りなどなど、肉体労働が山のよう。およそ、ガーデニングとは呼べない過酷な作業の連続です。「こんなはずじゃなかった…」何度そう思ったことか。でも、不思議です。これらの作業を繰り返すうち、苦痛ではなくなってきたのです。雑草は取っても取っても生えてきます。1週間経つとまた同じように生えています。UVケアのクリームを塗り、大きなつばの帽子をかぶり、暑い日でも長袖を着て、黙々と草取りをします。作業中は、何も考えていないのです。頭の中は空っぽ。原稿のことも、納期のことも、会議のことも…仕事のことなど何も考えていない。ストレスフリーの状態、きっと頭の中にはアルファー派がふわふわと湧き出ているのでしょう。風の音、傍を流れる大武川のせせらぎ、鳥の声、f分の1の揺らぎに包まれて実に心地いいのです。東京ではできない作業を山荘で経験する、これは転地療養とでも言うべき。精神的にはかなりいい効果を発揮していることでしょう。

自然は偉大です。少しずつ温暖化の影響が出ているといえ、忘れずに春に芽吹いて若葉を増やし、夏に活力を養い、秋に体力を温存し、冬に備えます。雪の山、桜の山、新緑の山、ゴブラン織のような紅葉の山、どれをとってもすばらしいものです。 自然のすばらしさに気づいたとき、それは自分自身が年を重ねたことに気づいたときでもありました。

里山ライフ以前は「仕事持ち」で奔走していた私、今は「時間持ち」です。 藤やアケビのつるを採って、一晩水に浸け、かごを編んでみました。次は何をしようかな? 山荘での里山ライフに「〜ねばならない」はありません。「いい加減」がいい、かげんです。


(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.53 August 2008

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