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このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。

身をもって知ることの大切さ

桜はすでに満開、ハラハラと散り始めています。私の住む武蔵野でも毎年4月の第1週末に「桜祭り」が開催され、関係者をドキドキさせています。華麗に花開く桜の寿命は約1週間。満開のときに「祭り」が開催されればいいのですが、自然はそんな都合よく合わせてくれません。桜が散り、大看板の「桜祭り」の前に「葉」をつけて「葉桜祭り」と粋な計らいをした年もありました。

さて、今月は3ヶ月前の私自身の大腿骨骨折から転じた、こぼれ話。ようやく以前と変わらない歩行ができるようになったのですが、この3ヶ月あまり、私は体の不自由な方々がどんな思いで日常生活を送っているのか、ほんの少し体験することができました。

バリアフリーという言葉をよく耳にします。まさに、このバリアフリーが必要なのです。実際、車椅子の生活では段差がとても大変。廊下が狭い、トイレに入れない…。車椅子を卒業しても、手すりは絶対必要!不自由になってから身に沁みる住環境の不都合さでした。

次に、外歩き。これがまた危険!車は歩く側も、運転する側も比較的に慎重です。厄介なのが自転車。車道も歩道も関係なく、猛スピードでやってくるのですから、おぼつかない足でヨタヨタ歩いている人間には凶器そのものです。しかも相手はヘッドホンで有頂天。私もしばらくは、片杖歩きで存在感をアピール。自転車族の目に止まるように心掛けていました。

少し行動範囲が広がると電車やバスなどを利用するようになります。ノンステップのバスは、確かに昇降がラクでした。でも、運転手さんがみんな親切ではないのです。急発進こそないものの、冷ややかな目線と声で「早くしろよ…!」とばかりの態度。駅では、常にエレベーターを捜し求めていました。エスカレーターは慣れるまでに勇気がいりました。万が一、踏み外したら…と恐る恐るです。都内の駅は、かなりエレベーターが設置されるようになりました。しかし、その場所が実にわかりにくく、改札口から遠いのです。最初からエレベーターの設置を考えた駅舎なら計画の中に反映されていたのでしょうが、大半は後付。必然的にビルの隅っこ。裏口のようなところから出入りする駅もあります。でも、ないよりはあったほうがいいのは当然。

最後にひとこと。ベビーカー軍団がすごいんです。最近のママたちは行動範囲が広い。1歳前の赤ちゃんたちを連れてどんどん出かけます。エレベーターは今やベビーカーに占領され、すごいことになっています。乗るのは当たり前と思わず、「ありがとう」「どうぞ」の言葉掛けだけで、狭い空間が優しい雰囲気に包まれます。そんなゆとりが、若いママたちにあって欲しいな…と老婆心で思ってしまうこのごろです。

(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.49 April 2008

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