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| このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。 |
2007年を思う
いよいよカレンダーは残り1枚。「でもそんなの関係ねぇ」と、言っている場合ではないほど、今年は波乱万丈。とんでもなく暑い夏、なかなか紅葉しない東京の秋、そのうち緑の葉をつけたままハラハラと落葉。それでも12月にカレンダーが変わったとたん、急激に寒くなりました。北の地方では今年は激寒との情報。異常気象の時代に、順番通り春夏秋冬がやってくるのに頼もしささえ感じます。
「ミートホープ」「白い恋人」「国産うなぎ」「地鶏」「赤福」そして老舗「吉兆」の偽造疑惑。日本人の倫理観はどうしてしまったのでしょう。政界再編制・大連立・・・ダイの大人が一度発言したことを翌日には取り下げ、その真意は一般人にはわかりません。すべて「記憶にありません」と言い放つことができるエライ人たち。
私にとっては、やはり妊婦の「たらい回し」事件が気になります。子育て支援と言いながら、あいかわらず日本全国で、産婦人科が減少しています。産科医もどんどん減少し、今や産科医の半数は女医さんとのこと。ところがその女医さんも赤ちゃんを産みます。当然、その間はお休みとなるわけで結果、医師不足は解消されないまま推移しています。
今夏、奈良など各地で妊婦の搬送受け入れ拒否が発覚しました。病院側は「医師や施設に受け入れる余裕がない」としていますが、実は断った最大の理由はその妊婦さんが「未受診」だったこと。つまり、健診を受けたことがなく、妊娠何週かもわからないのです。子を宿して、ほったらかしが好ましいとは誰も思っていないでしょう。まして、自分のお腹のなかに愛しい赤ちゃんがいるのです。なぜ、健診を受けないのか・・・原因は分娩できる施設の集約化もあるでしょう。しかし、格差拡大による経済苦も大いに影響しているのです。
妊婦定期健診は1回5千円から1万円程度。厚生労働省では健診は14回程度が望ましいとしています。でも自治体の公費助成は初期と後期の2回程度。さらに初期は各種検査が重なり、公費で助成されるのはほんの少し。多くの施設では2万円から3万円もかかります。この健診費用、少しずつ見直され、自治体によって助成の幅が少しずつ拡大されています。これはうれしいことです。その一方で、東京、港区の愛育病院がコスメメーカーである資生堂とのコラボレーションで、妊婦さんや産婦さんのリラクゼーションエステを始めたとか・・・。その費用、けっして安くない。
格差社会と言われるのかもしれません。いまや出産が人生の一大イベントでセレブリティな環境を望んでいるご夫婦もいるかもしれません。でも、一方ではこれでいいのか・・・自分たちが望んでいるお産はこんなものではないと、産院選びに迷っているご夫婦も多く、私のところにも相談される方もいます。
今秋、私事ながら息子夫婦に長男が誕生しました。選んだ産院は、個人産院でエステもなければ、シェフもいません。院内母親学級もありません。しかし、1人の医師が健診から分娩まで責任を持って診てくれました。医療スタッフも慈愛に満ちた方々ばかりで、息子夫婦は満足のいくお産ができたと喜んでいました。何を優先するか、その価値観を自分たちでしっかり把握することが大切だと改めて悟りました。
新しい年、子どもたちを取り巻く環境が少しでも改善されますように…。皆様にとって、2008年がよりすばらしい年でありますように…。
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(メディカルアドバイザー 松村富代) Healthy Letter from Tomiyo Vol.45 December
2007 |
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