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このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。

葉酸、厚労省勧告から7年…そしていま

ビタミンB群の仲間である葉酸(ようさん)が、「妊婦さんにいいらしい…」といわれて7年。今日は、その後の報告です。

その前に葉酸について、少しご説明しましょう。葉酸は生体組織、細胞の発育および機能を正常に保つのに必要なビタミンで、とくに赤血球の形成、成熟に不可欠な補酵素です。和食中心の食生活では葉酸欠乏が起こりにくいと考えられていましたが、生活の欧米化と共に食生活にも変化が見られるようになり、近年では多くの人が不足しているといわれています。1999年の東京の女子大生を対象とした調査では、摂取基準量を満たしていない微量栄養素として、葉酸 55.4%、ビタミンA 51.1%、ビタミンE 47.2%があげられ、不足状態が若い女性に顕著に現れています。

妊娠中においても葉酸は急激に増殖する絨毛組織、胎児組織の発育に重要な働きをしています。従来、産科領域では常位胎盤早期剥離、早産、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育遅延などの原因のひとつとして葉酸の欠乏があげられてきました。

1991年アメリカのCDC(Centers for Disease Control)は、神経管閉鎖障害の赤ちゃんを出産したことのあるお母さんに対して、次回妊娠するときは妊娠する4週間前から妊娠12週まで葉酸0.4mgを服用し、再発の予防をするように勧告しました。翌1992年CDCは、妊娠する可能性のある全女性に対して、1日0.4mgの葉酸を上記期間摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクを70%低減できるという勧告を発表しました。欧米では、この勧告を受け、サプリメントや食品に葉酸を添加するなど、さまざまな取り組みが進められ、着実に神経管閉鎖障害の発症リスクは低減しています。

わが国では、神経管閉鎖障害の発症は1980年2.2人(対1万人)であったものが年々増加し、2003年には6.14人と多数を示しています。欧米での報告を受け、わが国でも2000年12月28日厚生労働省(旧厚生省)は以下のような勧告を発表しました。

「妊娠を計画している女性は神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるために、妊娠1カ月以上前から妊娠3カ月までの間、葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事が必要である。野菜を350g程度摂取するなど各食品について適正な摂取量を確保すれば1日0.4mgの葉酸摂取が可能であるが、現状では食事由来の葉酸効率が確定しないことや各人の食生活によっては0.4mgの葉酸摂取が困難な場合もあることから、当面、食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することが期待できる」。

ところが、2000年に厚生省から上記の葉酸摂取に関する勧告が出されたにもかかわらず、発症は低減傾向を見せず、増加しているのが現実です。しかも、厚生省の勧告後、葉酸を含む総合ビタミン剤を服用した妊婦さんは2001年で0.67%、2006年でも4.17%で5%にも満たない状況です。まだまだ、その必要性を理解してない妊婦さんが多いようです。

これから妊娠出産を希望されている方は、勧告の趣旨を理解して、葉酸を含有しているマルチビタミン剤を服用されることを強く希望します。

本サイトの株式会社べーじゅでも、「葉酸入りマルチビタミン」という栄養補助食品を産院やインターネットを通して皆様にお届けしています。葉酸について、わかりやすく説明した小冊子もご用意しています。興味のある方はぜひ、アクセスしてみてください。

(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.43 October 2007

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