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| このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。 |
やはりラクではない出産費用
このところ出産のために産院紹介をしてほしいと依頼されることが多く、いろいろ調べているうちに最近の産院の有り様が見えてきました。もちろん、産科医や助産師不足の問題、分娩を中止せざるを得ない状況など、取り巻く環境には厳しいものがありますが、今回は利用者の立場から考えてみます。
産院選びのポイントは、いくつかあります。医師やスタッフとの信頼関係を重視する、自宅から近い、最新の3Dや4Dなどの超音波機器や設備が整っている、万が一にも対応できる大規模病院である、食事がおいしい(無農薬・有機野菜などこだわり食品を使う)、外見がきれい、マタニティビクスやヨガ、スイミングなどのスポーツ施設が併設されている、母親学級や両親学級など院内指導が行われている、無痛分娩・計画出産にも対応してくれる、夫・家族立会いができる、上の子(家族)も一緒に入院できる、アメニティグッズが充実している、などなど。
病気ではない妊娠・出産はその要求の幅も広範囲におよび、最近のマタニティ雑誌の影響もあって、自分がどんなお産がしたいのか、「バースプラン(お産や産後の希望、自分の思いなどを紙に記したもの)」を事前に提出させる産院も増えています。それには浣腸、剃毛、会陰切開、母乳育児、陣痛促進剤の使用など、産院で行われるであろう処置について、ことこまかく確認できるようになっています。そこで、産婦さんと産院側との話し合いが行われ、できるだけ産婦さんの希望に沿った分娩を行えるように整えていきます。そうしたポジティブなケースばかりではありませんが、何も言えない、言わない時代は様変わりを見せているようです。
さて、問題はその費用。妊娠・出産は健康保険が効かない「自由診療」です。施設によって出産費用はばらばら。昔に比べるとかなり情報は公開されています。そこで、いくつかの病院と診療所に、正常なお産にかかる費用の目安を尋ねてみました。病院と診療所とでは、それほど謙虚な差が見られず、大規模病院だから高かろう、小さなクリニックだと安かろう…という概念はあてはまりませんでした。おおむね40万〜50万円、個室や特別室を希望すると60万円はざらでした。この金額は地方都市と比べると高めかもしれません。
私が紹介した神奈川県のある病院は正常分娩6人部屋で55万円。ここは無痛分娩で有名なので、無痛分娩を希望すると70万円とか。それにしても、この金額、安くはありません。正常な出産は病気ではないため、健康保険が適用されません。しかし、経済的な保証をするために、出産育児一時金として1人あたり30万円程度が支払われています。横浜市は30万円、東京23区は35万円と、自治体や会社(健康保険組合)によって額は違うものの、20万円程度の自己負担は避けられません。この金額、産院側にとってもけっして吹っかけ価格ではなく、「40万円でお産ができても、その金額では病院や診療所はとても厳しい。ただ公立の病院とあまり差をつけられないので同じぐらいの値段にせざるを得ない」と苦しい心境を語ります。
豪華絢爛な施設、ホテル並みのアメニティ、至れり尽くせりの指導、そうした特別セレブメニューが本当に必要なのか、利用する産婦さんの意識改革が求められているようです。
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(メディカルアドバイザー 松村富代) Healthy Letter from Tomiyo Vol.35 February 2007 |
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