| このコーナーでは、メディカルライターの松村富代さんから、毎月1通ずつ health & beauty をテーマに素敵な手紙が届きます。 |
健康そして命の大切さを感じて |
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日本中が冬季オリンピックに沸きました。何が何でも日本のためにメダルを…という願いが、最近では選手個人が持てる能力を最大限に生かすことができればよしという、あたたかい応援になってきたのは、とてもいい傾向だと思います。フィギュアスケートの選手たちを始め、みんなよく頑張りましたもの。そんな賑わいから一転。チリの巨大地震。多くの方がまた悲惨な環境におかれています。日本から遥か1万7千キロも離れた日本海岸に押し寄せた津波の恐ろしさも加わって、弥生3月を迎えました。
昨年末、長年一緒に仕事をしていた方が4年間の闘病生活の末、癌で亡くなりました。定期的な狭心症の検査は受けていたのですが、いわゆる全身の健康診査とは無縁の方でした。食事がのどを通らなくなり、胸のあたりがなんとなく痛い…そう感じて検査を受けたところ胃の悪性腫瘍、癌でした。そのときはすでにステージ3のbでした。それでも、胃の全摘出手術を受け、その後は定期的な診察と化学療法で抗癌薬を飲み続けていました。 術後3年の生存率は60%。そのころは、まだ仕事ができる状態で一緒に各地へ講演などにも出かけていました。3年が経ったとき、転移が見つかり再び開腹手術。すでに手の施しようのないところまで来ていました。体力はみるみるうちに衰え、入退院を繰り返していました。もはや仕事はできない状態でした。
近年の癌治療は、末期になればホスピスという施設もありますが大半がペインコントロールです。彼は自分の病状を知っていましたし、すでに治療が施せる状態でないことも理解していました。痛みは人を疲弊させます。激痛をコントロールすることで体力も温存できます。大きな癌専門病院から地域の提携病院でケアすることになり、訪問医師や看護師の世話になりながら在宅看護を続け、そして逝ってしまいました。
彼は献体を希望していました。ですから、今、まだ位牌もお骨もありません。ご家族の哀しみも大きいのですが、しばらくの間ご一緒に仕事をしていた私にとって、どちらを向いて合掌していいのか、しばらく心の整理がつきませんでした。彼のブログはまたパソコンの中に存在しており、削除されていません。スノーマンのようにやさしい方でした。今ようやく心穏やかにご冥福をお祈りできるようになりました。と同時に、日本人の3人に1人、多くの方が癌で命を絶たれている現実にわが身を振り返っています。3月は私の誕生月。年に1回の健康診査は徹底的に行ってまいります。まだまだ頑張ります。
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今年の冬は東京にたくさん雪が降りました。桜便りが待ち遠しい気分です。今月の写真は山梨県北杜市の白州道の駅。南アルプスにかかる雲が春の訪れを待っています。
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(メディカルアドバイザー 松村富代)
Healthy Letter from Tomiyo Vol.72 March 2010 |
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