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特集2 「葉酸」


東京都中野区で産婦人科を開業している野原士郎先生。こちらのクリニックでは妊娠出産にあたり葉酸が絶対不可欠な栄養素と認識し、妊婦さんへの葉酸指導をいち早く取り入れてこられました。その野原先生が2000年5月に東京都医師会雑誌に発表された論文です。


先天異常予防のために妊娠前から葉酸を!
医学博士 野原士郎


私は4年前ある小児科医の論文で葉酸補充による先天異常予防効果を知り、その後先進諸外国での葉酸補充普及を勧める論文や勧告等に接し、妊娠前からの葉酸補充の必要性を強く感じた。それは丁度この頃、当院でも無能症やかなり重度の先天異常児の流産や出産が続いたためでもある。そして、この方面での我が国の第一人者である横浜市愛児センターの住吉好雄所長(横浜市立大学教授)の助言を得て葉酸の単独投与を 細々開始した。

住吉教授は1999年9月に日本母性衛生学会総会を開催し、会長講演として「先天異常の予防について」を発表し、その中でも葉酸補充の必要性を力説されている。我が国の少子化傾向は依然として改善の兆しが見えないまま、先天異常の中にはやや増加傾向のものも有り、 先天異常の予防情報キャンペーンはとても大切なことと考えられる。

そこで、住吉教授の了解を得て、本欄を借りて数多くの住吉教授の論文の中から要点のいくつかを紹介する。

葉酸の新しい効用

葉酸は抗貧血作用のある水溶性のビタミンBの一種で、構造上プテロイルグルタミン酸ともいう。最初にホウレン草から抽出されたことからその名がつけられた。

葉酸は体内で代謝され、還元型のテトラヒドロ葉酸となる。テトラヒドロ葉酸は細胞分裂の盛んな組織ほど多く、細胞増殖、 成長に不可欠なビタミンである。また赤血球造血反応の維持にも必要で、従来巨赤芽球性貧血の治療に用いられてきた。

これまで、産科領域では常位胎盤早期剥離、流産、死産、妊娠中毒症、子宮内胎児発育遅延等の原因の一つとして葉酸の欠乏が挙げられてきた。

葉酸の成人所要量は1日0.4mg、妊娠所要量は0.8mg〜1.0mgで、酵母、豆、胚芽、緑黄色野菜、牛乳、卵などがその供給源とされる。

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